天動説と地動説から考える軸や前提の重要さ

2018.08.19

天動説と地動説どっちが正しいと思いますか?

・・といわれたら、何かのなぞなぞか?ひっかけか?と思う人も多いのではないでしょうか。多くの人は地動説が正しいに決まっているではないか!?と思っているのではないでしょうか。少なくとも私もそう思った一人です。

少し前の記事になりますが「いま敢えて問います。天動説と地動説、どちらが正しいと思いますか?」というものを読んでハッとしました。

ここには我々がイノベーションを考える上で、2つの重要なヒントがあります。

天動説は当面の間信じられていた

地動説への反論 科学者が革新的アイデアに慎重な理由」にあるように、コペルニクス以降も科学者は天動説を支持していたようです。ここには科学的に慎重であるということと、もう一つは認知的不協和(自分が信じ切っていたことを否定されたときの拒否感)があると思います。

これは実はとても深くて、まず、そんな馬鹿な!?があったときに、まずはそれでも慎重に検証していくという姿勢と、もう一つはものすごい反発です。

ちなみに、私は、ロボットクリーナーを、有名なルンバと同じ時期に(2003年頃?)メーカーの担当者として欧州製を販売しましたが、ものすごい否定の渦でした。「こんなものはダメだ!」と・・でも、今は普及しておりますね。

現象には奥の奥があること、もう一つ、今まで知らなかったものは当初全力で否定される

それでも、天動説にも一理ある

ここがもう一つの大きなポイントです。次は前提の問題です。なかなか宇宙の中で「動いている」と「止まっている」を定義するのは難しいでしょう。あくまで何かに対して「動いている」のですね。つまり、軸によって、変わる。ここが大きいと思います。

例えば「東京の起業は盛んだ」といった場合、これは他地域に比べればそうかも知れませんが、諸外国と比べたら経済規模から見て起業は盛んとはとてもいえない状況です(むしろ、東京でもゼロに近い??)。これは地域にもいえます。ある地域の自然が美しい。では、それは岩手県と比べてもか?鹿児島県と比べてもか?あるいは・・??

このような比較軸、前提で物事は決まってくる(差別化要素も)ので、この天動説・地動説議論は、一つのロールモデルとして一考の価値ありです。

鳥瞰図で物事をみること。自分は間違っているかも知れないと常に常識・前提を疑うこと。比較対象を明確にすること。

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